バーチャルオフィスで採用活動はできる?求人票の書き方と面接場所の確保法

用途・実務

「会社の住所がバーチャルオフィスでも、人を雇えるの?」「求人票に載せる住所はどうすればいい?」「面接場所がないんだけど、応募者にどう案内する?」

リモートワーク前提で立ち上がったスタートアップや、副業から始めた個人事業主が法人化して初めて人を雇うフェーズに入ると、この壁にぶつかります。

結論から言うと、バーチャルオフィスでも採用活動は問題なく可能です。求人票への住所掲載、ハローワークでの募集、面接場所の確保(会議室・カフェ・オンライン)まで、すべて現実的な方法で対応できます。重要なのは「リモート前提の組織だ」と最初から伝えること。

この記事では、VO事業者が採用を進めるときの実務上のポイントを整理します。

バーチャルオフィスで人を雇うのは合法か

まず大前提として、バーチャルオフィス利用者が従業員を雇うこと自体に法的な問題はありません

労働基準法・職業安定法のいずれにも「事業所が物理的なオフィスである必要がある」という規定はなく、リモートワーク主体の組織であっても以下を満たせば適法に雇用できます。

  • 労働条件通知書(または雇用契約書)の交付
  • 労災保険・雇用保険・社会保険の加入手続き
  • 就業規則の整備(常時10人以上の場合)
  • 給与計算・年末調整の実施

ただし、有料職業紹介事業・人材派遣業として「他社に紹介する」事業を行う場合は、許認可要件で物理的事務所が必要です(職業安定法施行規則・労働者派遣法施行規則)。これは「自社で人を雇う」採用とは別物なので混同しないようにしましょう。

求人票への住所掲載のポイント

ハローワーク・主要求人媒体は掲載可能

ハローワーク・Indeed・engage・Wantedly・リクナビNEXT・dodaなど主要媒体にバーチャルオフィスの住所を「会社所在地」として掲載できます

掲載時の注意点は次のとおりです。

媒体VO住所での掲載可否補足
ハローワーク◯(事業所登録が必要)初回登録時に実態確認あり
Indeed通常掲載可能
engage通常掲載可能
Wantedlyリモート前提の企業多数
大手転職サイト採用要件次第

ハローワークに事業所として登録する際は、「事業所登録シート」を提出します。住所がバーチャルオフィスであっても、事業実態(売上・取引先・代表者の経歴)が確認できれば登録が認められるケースがほとんどです。

「勤務地」の書き方

実務上のポイントは「会社住所」と「勤務地」を分けて書くことです。

  • 会社住所:バーチャルオフィスの登記住所(信用情報として記載)
  • 勤務地:「フルリモート」「自宅勤務」「都内コワーキング使用」など実態を記載

応募者の混乱を避けるため、冒頭で「当社はリモートワーク主体です」と明記する企業が多くなっています。Wantedlyや自社採用サイトでは、リモート前提が逆にアピールポイントになります。

面接場所の確保方法

「採用面接をどこでやるか」が、バーチャルオフィスで採用する企業の最大の悩みどころです。現実には次の3パターンに分かれます。

1. オンライン面接(最も多い)

Zoom・Google Meet・Microsoft Teamsを使ったオンライン面接が2026年時点では最大派になりました。コロナ禍以降に普及し、応募者側もリモート面接に慣れています。

  • 一次面接:オンライン
  • 最終面接:オンラインまたは対面(任意)

オンライン中心にすると全国・海外からの応募が増えるメリットもあります。

2. バーチャルオフィスの会議室レンタル

主要VOの多くが、利用者向けに会議室を提供しています。

サービス会議室料金利用可能拠点
GMOオフィスサポート550円〜/30分渋谷・三軒茶屋・福岡博多(※他16拠点の「面談スペース」は銀行口座開設等専用で面接利用不可)
DMMバーチャルオフィス1,100円/時間名古屋・横浜店のみ(1日最大2時間)
ワンストップビジネスセンター1,100円〜/時間全国48拠点(会議室は37店舗46室・東京23区/札幌/横浜/大阪/福岡/名古屋など)
ナレッジソサエティ利用プランによる九段下
アントレサロンプランに含まれる銀座・横浜など東京・神奈川・埼玉

「会社所在地のVO拠点で面接」ができるため、応募者の信用面でも安心感があります。

3. 外部の貸会議室・コワーキング

自社住所から離れた場所での面接も一般的です。

  • スペースマーケット・インスタベース:1時間500〜2,000円
  • WeWork・Regus:会員限定の会議室
  • 駅前カフェ(オープン面接):実費のみ

採用フェーズに合わせて使い分けると効率的です。

採用ブランディングへの影響

「住所がバーチャルオフィスだから応募が来ないのでは…」という不安はよく聞かれますが、2026年時点では応募者側のリテラシーがかなり高くなっています

  • リモート前提組織への抵抗感が薄れた
  • スタートアップ・SaaS企業の多くがVO登記
  • 大手IT企業のリモート勤務常態化

応募者がチェックするのは住所そのものより、事業内容・代表者の経歴・実績・口コミです。コーポレートサイト・採用ページ・代表者のSNS・取引先情報を充実させるほうが効果的です。

信用度を上げる工夫

  • ホームページの「会社情報」を充実させる
  • 代表者のSNS・登壇歴を載せる
  • 主要取引先・実績を可能な範囲で公開
  • VOは上場系列を選ぶ(GMO・DMM等)
  • 電話番号は03・06等の固定番号を取得

雇用後の労務管理

採用後の労務管理についても、いくつか押さえどころがあります。

社会保険手続き

法人なら従業員1名から社会保険加入義務が生じます。年金事務所への新規適用届を提出し、健康保険・厚生年金に加入させます。

事業所所在地はバーチャルオフィスの住所で問題ありません。届出書類の郵送物はVO経由で受け取れます。

労働保険手続き

労働基準監督署・ハローワークでの労働保険・雇用保険の加入手続きも、VO住所で問題なく可能です。初回手続き時に立入確認が入るケースは稀ですが、ゼロではありません。

給与振込・経費精算

リモート前提の組織では、給与振込・経費精算もすべてオンライン化するのが標準。マネーフォワード給与・freee人事労務・SmartHRなど、クラウド型の労務ツールを最初から導入しましょう。

よくある質問(FAQ)

Q1. ハローワークに登録できますか?

A. 可能です。「事業所登録シート」を提出し、事業実態が確認できれば登録できます。住所がVOであるだけを理由に却下された事例は、私たちの調査範囲では確認できていません。

Q2. 求人票の住所にVOを書くと印象が悪い?

A. 業種・募集ポジションによります。リモート前提のIT・SaaSなら問題なし。一方で、伝統的な金融・士業ポジションでは応募者が躊躇する場合もあるため、補足説明を必ず入れましょう。

Q3. 派遣業や職業紹介業は可能?

A. 不可です。これらの業種は許認可要件で物理的事務所が必須となり、バーチャルオフィスでは満たせません。

Q4. 雇用助成金は受けられますか?

A. 受けられます。トライアル雇用助成金・キャリアアップ助成金などの厚労省系助成金は、バーチャルオフィスを使っていることを理由に対象外にはなりません。

Q5. 面接後に応募者から会社の場所を確認したいと言われた

A. オンライン面接で済ませるか、VOの会議室で対応するのが現実的です。実体ある事業であることを示すには、コーポレートサイト・取引先情報・代表者のSNSなどを案内するのも有効です。

まとめ

バーチャルオフィスでも採用活動は十分に可能です。重要なのは「リモート前提の組織であること」を最初から明示し、信用情報を整えておくこと。住所より中身で選ばれる時代になっています。

この記事のポイント

  1. VOで雇用するのは完全に合法
  2. ハローワーク・主要求人媒体に掲載可能
  3. 面接はオンライン+VO会議室の組み合わせが主流
  4. 派遣・有料職業紹介は許認可要件で不可
  5. 採用力は住所より事業内容・代表者情報で決まる

会議室を頻繁に使う想定なら、会議室併設型のワンストップビジネスセンターやアントレサロンが便利です。最低限の住所だけ確保したいなら、GMOオフィスサポート(月660円〜)やDMMバーチャルオフィス(月660円〜)がコスパに優れます。

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参考文献・情報源

※ 一部PR (アフィリエイトリンク) を含みます。リンク先は各社公式サイトです。
ハローワーク事業所登録(厚生労働省)
職業安定法(e-Gov法令検索)
労働者派遣法(e-Gov法令検索)
GMOオフィスサポート公式
DMMバーチャルオフィス公式

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